2010年06月30日

新月伐採の搬出作業始まる

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 久しぶりに新月伐採の話です。
 昨年12月の新月前に伐採した木の搬出作業が秦野森林組合組合員の山で始まりました。新月伐採は”新月の木国際協会”が定義する伐採方法です。簡単に言うと冬期10月下旬から1月下旬までの新月前1週間までに伐採し、枝葉をつけたまま4ヶ月以上枯らしてから出材する方法です。(もっと細かい定義はありますが、そこは、協会のホームページをご覧ください。)

 秦野では4年前から秦野森林組合さんの協力のもと取り組んでいます。昔から、洋の東西問わず言い伝えとして言われてきたことですが、定義があいまいでその伐採方法の検証はオーストリアのエルビン・トーマ氏が始め、その後日本で、この協会が8年前から検証してきました。オーストリアではこの時期に伐採された木材は最高ランクの評価が付いているそうです。

 秦野では、やはりトレサビリティーの確立、伐採後の保存管理が課題でした。これにはどうしても現場で働くひとの意識改革が必要で、厳しい単価で働く請負業者からすれば、「そんな面倒な事してられるか」と思うのが普通なのです。解決方法は、手間に見合う金額で引き取りつつ、ユーザーに価格転嫁せず、通常の価格に近い金額で出せる事が課題でした。
 
 工務店の協力もあり、林業者も製材業者もなんとか見合う金額になり、やっと軌道に乗りつつある現状です。そうゆう状況の中、現場側もこの取り組みに理解をしてくれるようになり、今年の搬出にこぎ付けました。

 不思議なものです。今回、そうゆう気持ちが材の質にも現れているように思います。通常この時期まで山に木を置いておけば間違いなく虫に無残に食い荒らされてしまいます。まして、ヒノキ材では葉枯らしでも2カ月までと言うのが常識とさています。しかし、写真で見るように虫の付き方はごくわずか、皮はぴたりと木につき虫を寄せ付けないかのようです。通常でしたら梅雨を迎えれば皮はベロンと剥け、虫は食いたい放題です。私たちはそれでも、倒した方角、下向きか、上向きか、枝付きの状況、倒した時に身割れしたかしないかなどを見、どのような方法がベストか検証しています。

 そのようにして最高の方法を導き出す作業を続けてきました。でも、すべてが理想的に伐れる訳はないのです。ですからその木の立っていた時の状況から伐採し搬出、製材までの情報を記録し、ユーザー(この場合は職人)にその情報を手渡す事が大事で、そこまでの流れを作ることが理想です。
 この考えは林業界でも、精密度林業として提唱され、先端技術として欧米でも検証されている段階で、日本でもこの取り組みを提案している先生もいます。

 まだまだ、課題はありますが、自然のたまものである木材を工業技術で接着材の塊にして使うより、自然のもつポテンシャルを最大限引き出す技術こそ、これからの環境共生社会にとって必要な技術です。

 長くなりましたね、これから搬出、製材までの流れを随時報告していきます。

 
posted by 水土の考現者 at 21:29 | TrackBack(0) | 月と農、森林、海
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